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9日はオルセー美術館に行ったらしい。
この数日だけでもそれまでの人生で見た...
2009年6月
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9日はオルセー美術館に行ったらしい。
この数日だけでもそれまでの人生で見た数よりもはるかに多くの美術品を見ていて、その中で人物画はあまり面白味がないなと思っていたのだけど、ギュスターヴ・クールベの自画像を見てこうも興味深い描写が出来るものかと思ったのを覚えている。

クールベの作品は陰影が素晴らしいと思う。恐らくこの時代は(と言うか比較的いつの時代でも)華やかさとか豪華さ、偉大さみたいなものが尊重され、価値を置かれているなかで、荒々しい波や崖、曇天の海とかを描きまくっていただけあってか、陰鬱さと力強さみたいなものを感じる画家だなと思って見ていた。好きな画家の一人。

モネとかの印象派になると雰囲気は変わって、穏やかな陽の光とかが美しいのだけど、そこにもやはり壮大さや威厳みたいなものからは遠く離れようとする意志を感じた。
また、現実を見たまま忠実に描くことよりも、または伝えたい何かを意図的に伝えようとするよりも、作家の内面に映る個人的な世界を表現することに重きを置いているような、そういった作品が好きだなと思った。

芸術を巡る過程は、自分の個人的な好みを明らかにしていく事で、その過程を経て自分の理解を深める行為だったように思う。
今振り返ってみれば、存分に自分を探している感じがある。
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